金狐舎の裏庭

夫婦円満と家内安全の縁起物を描いている、金狐舎のブログ。制作の様子や、報恩謝徳の寺社参拝の写真を上げています。

改めて稲荷に思う

 

f:id:futagoya3:20231024075104j:image

 

お稲荷さんについて考え始めたのは去年の頭ごろ。知人との会話で九尾の狐について聞くことがあり、狐や狸について調べ始めてそれが荼枳尼様や稲荷大明神の歴史へと繋がっていきました。

 

稲荷と言えば他人の感想は二つに分かれ、片や恐いや不気味と言い、片や店の守り神として丁重に・そして親しみを持って扱われているように感じています。

 

私自身は地元に稲魂神がお祭りされていたことから、お稲荷様に恐怖心はなかったものの(むしろ赤い鳥居や祠、凛とした御眷属の像は美しいと思う)、総本山と言われる伏見稲荷豊川稲荷最上稲荷などには足を運んだことはありませんでした。

 

けれど、実際に行かれた方との会話の中に「行った人にしかわからない何かがあるのだな」と感じていたので、いつかはと目論み、今年ありがたくも伏見のお山を尋ねることが出来ました。

 

あの多種多様な祈りを受け入れる器と茶店の方々の在り方は、唯一無二ですね。

また、ご眷属様のそのものが愛され暮らしと一体化している様子は、私にとっては幸福なものに見えました。

 

f:id:futagoya3:20231024081446j:image

眼力さんの狐さん

 

生活に密に寄り添い、日夜働いてくれる方々がいらっしゃる・背後には、富を築くだけ働いてくださったご先祖様もいる・そして一つのお山が世界観を持ち、全国に認知されているというのは素敵なことだと思う。

稲荷の祀り捨てなどという言葉があるけれど、長くお世話になった方に帰りのお車を手配するように、終いは各社に問い合わせて華のある形でお帰りいただくように務めるのが良いのではないでしょうか。

 

花街の跡地には、今でも稲荷が存在していると聞く。老若男女問わず、貴賎なく。生まれてきた生命そのものを豊かさとして扱ってくださるお稲荷様は、私にとっては大切にしたい神様の一柱です。